借金滞納でコワいお兄さんが殴り込み!?取り立ての昔と今

夜討ち朝駆けドアに張り紙が当たり前だった時代の取り立て

借金滞納でコワいお兄さんが殴り込み!?取り立ての昔と今

ひと昔前にはサラ金地獄という言葉があったことを忘れている人も多いようですが、借金でクビが回らなくなって夜逃げや自殺、一家心中をする悲惨なニュースがたくさんありました。金利がとんでもなく高かったことが原因の大きなひとつです。
そして、あの時代には消費者金融などの取り立てに対する規制も緩く、早朝から深夜に及ぶ訪問回収や誹謗中傷ビラの貼り付けなども行われていました。
よくあった手口を並べてみます。

 

・朝起きる前を狙って突入
・深夜帰宅するのを待ち構えて乱入
・「金返せドロボー」などの張り紙をよく見える場所に数多く残す
・大声で怒鳴りつける
・関係ない近所の人に返済を迫ってプレッシャーをかける
・ひっきりなしに電話をかける
・職場や親類縁者に督促する

 

債務者を怖れさせたのが、コワいお兄さんによるこうした恫喝まがいの返済要求でした。
顔や身なりがコワいのは当たり前で、喋る言葉も内容もとんでもないものが多く知られています。肝臓売れ、保険金で払え、あげくは娘を売り飛ばせなんて言葉もでてくる始末。

 

さすがに、直接的な暴力を振るうケースはそれほどなかったようです。考えれば当然ですが、貸し金の回収が目的であって、痛めつけたところで1円の得にもならないばかりか、自分が捕まってしまいます。もっとも、脅すこと自体が犯罪なのですが。

 

現在の感覚ではそんな脅しに負けることもないのですが、あの当時は借り手の保護という概念も薄かったのです。そうでなくても、お金を借りている立場で、しかも滞納して返せない身となれば話は別です。とくに、まじめな人ほど思いつめてしまうため苦しみは倍増します。結果的に耐えられなくなって逃亡するか、自らの命を絶つなどという選択をしてしまう人が後を絶たなかったのです。

 

厳しい法規制で追い込みはなくなったが

借金滞納でコワいお兄さんが殴り込み!?取り立ての昔と今

暗黒の時代を経験してきた結果として、現在では法整備もすすみ、無茶な取り立てはできなくなりました。貸金業法の規定に違反すれば、貸金業者自身の存続にかかわる問題となります。

 

まず、コワいお兄さんの出番をなくすことから始まります。取立てのための戸別訪問や電話での催告は午前8時から午後9時までと決められています。この時間帯であれば自由に取り立て行為ができるかと言えば、それは違い執拗な取り立て行為は禁止されています。
また、コワいお兄さんの得意技である恫喝も使えません。脅すなど人の生活の平穏を害する方法での取り立ては禁止されているからです。大声で返済を迫ることも、周囲へ借金の事実を知られることになるため禁止行為です。同様に、張り紙や立看板も使えなくなっています。
え?立看板?と思うかも知れませんが、昔は実際に返済を求める看板を立てる嫌がらせもあったのです。

 

その他、会社への訪問や電話も正当な理由なくしてできませんし、親戚への請求なども論外となりました。そうです、かつての取り立て手段のほとんどが禁止されているのが現在の取立て現場です。

 

・訪問は日中に限り穏やかな話し合いが許される
・電話やファックス、電報も日中の常識的な範囲の回数に限る

 

事実上、これしかできないので、普通の貸金業者は郵送文書による催告がメインになっています。債権管理部門が訪問することもありますが、コワいお兄さんではありません。

 

ただ、取り立て行為が非常識で暴力的なものではなくなったことと、借金の返済は別の話です。返さなくて良いわけではありません。また、ヤミ金などもともと法律なんか無視している業者も存在しているので注意が必要です。
取り立てでコワい目に遭ったら警察に通報して取り締まってもらえば良い。そう考えることもできますし、実際に警察も動いてくれます。しかし、そんな事態に陥らないように考えることこそが大事です。